フォトショップ(Adobe Firefly)で野鳥のAI画像生成
Adobe Firefly(Photoshop、Lightroom Classic)
近年、AI技術の進化により、デザインやクリエイティブの分野でもAIツールが活躍するようになっています。かなり急激な変化に感じます。
2022年11月に公開されたChatGPTやその他の対話形式でAIが人間の質問に回答するジェネレーティブAI(生成系AI)は急速に利用者が増えているようです。
写真を撮っているものにとってもAIとの接点は結構多いと思います。上記のような質問、回答という形式ではないですが、Lightroom ClassicやPhotoshopでAIが学習したデータで写真に修整を加えることができます。
Photoshopでは写真の中の人物や電線を認識してくれ、それを消してくれます。
Lightroom Classicでは強力なノイズ除去や範囲選択した部分的なレタッチが簡単にできるようになり、この強力なノイズ除去や部分補正のおかげで今まではボツになっていた写真も十分に復活できるようになりました。
そのLightroomやPhotoshopで画像のレタッチの関してAIのおかげで大きく変わったのは次の点だと思います。
ノイズ除去の進化
Raw で撮影したデーターを現像するアドビのLightroom Classicでは、今まではただボカしているだけの感があったノイズ除去が驚くほど進化しました。残念ながらJPEGには使えませんが以前の写真のデータをRaw で残しているなら再現像する価値があります。ノイズが多かったり色の調整などがどうにもならなかった画像も蘇ります。
アドビのサイトには「人工知能を使用すると、ベイヤーまたは X-Trans の Raw ファイルを処理して、画像の細かいディテールを失うことなくノイズを軽減できます。」となっています。
これは本当にその通りで見事にノイズを除去してくれます。ノイズの除去度を強くすれば多少甘い画像になりますが、かなり酷い状態でもノイズを減らしてくれます。
ただ、AIが進化したことでパソコンの処理能力が求められるようになっています。私のPCは自作のものですが、ゲームをするわけではないのでグラフィックボードは内臓のものしか使っていませんでした。画像処理でもこれまで別段不足を感じませんでしたが、このノイズ除去は処理に時間がかかります。時間がかるだけなら良いのですが、その間動きが遅くなって並行して他の作業ができません。それでしかたなく8ギガのグラボを増設しました。この増設が3分かかっていた処理が30秒ほどになりました。もうアドビの推奨スペックは8ギガ以上のグラボが必須のようですね。
範囲選択機能の進化 部分補正
また、画像に対して色温度や明るさやなど調整する機能が、画像の範囲選択の機能が大幅にアップしたので部分的なレタッチが誰でも出来るようになりました。
これまでは写真のメインの部分の明るさなどを調整すると他の部分が耐えられない画像になったり、ノイズが多くなりすぎてレタッチを諦めざるを得ない状態になっていました。ところがレタッチの対象範囲を部分的にすることで他の部分に影響を及ぼさずにレタッチできるので、そのようなことが少なくなり写真を生かせる可能性が高まりました。(但し、過度の調整は選択範囲の縁に余計な色がついたようになるので注意です。)
被写体を選択、空を選択、オブジェクト選択、またそれらにカラー範囲やグラデーション範囲など複合的に調整することでかなり対象を絞ったレタッチが可能になっています。
生成塗りつぶし
生成塗りつぶしはAdobe Photoshopで、選択した範囲をAIが削除したり、指定した画像に置き換えたりしてくれるものです。画像にコンテンツを追加したり、画像からコンテンツを削除したりすることができます。
次の画像はAIで作った川の画像に「なげなわツール」でザクっと丸く範囲指定し、生成塗りつぶしでプロンプトに「空中でホバリングするカワセミ」と指定したものです。このように簡単にカワセミを追加してくれます。
範囲選択内のカワセミ以外の部分も周辺の背景に合わせて描画してくれます。
何回も繰り返せばもう少し良いポーズのものも生成されるでしょうが、自然の生き物なので不自然さはあると思います。背景をぼかせばある程度自然になるでしょうか。
写真は撮るのが面白いのでこのように作る必要も無いと思いますが、これはこれで面白いです。

生成拡張
野鳥撮影の場合はモデルが鳥なのでこちらの希望は聞いてくれません。こちらの思いは無視してとにかく動き回ります。鳥を追いながら何メートルも先のほんの小さい範囲を撮っているのでなかなか良い構図で撮れません。鳥の頭が画像の上端ギリギリなんてことが良くあります。ところがAIの生成拡張を使うと端っこに写った鳥も真ん中に持ってくることができるのです。まあこれも撮影した野鳥写真をそこまで加工するのは色々考え方もあると思いますが。
テキストから画像生成
この機能は全く白紙の状態にテキストで描きたい画像の内容を伝えることでまるごと画像を生成してくれる機能です。ですから写真撮影、レタッチとはあまり関係ありませんがプロンプトと言うものを体験するには良いと思います。
何か調べたいことをこれまでのような検索で一つ一つ調べて自分でまとめて行くのが大変な場合でもAIに丸投げしてしまうこともできます。もちろんAIの回答を鵜呑みにするわけには行きませんが、ざっくりとは調べることができると思います。そんな場合もAIにプロンプト渡して調べてもらうわけですから、このプロンプトで結果は大きく変わってくると思います。
テキストから画像生成でもプロンプトの書き方で生成される絵が変わるのでこの点も面白いです。
画像を生成してくれるとは言うもののなかなか思うような画像はできませんが、プロンプトを色々変えてみることと、参照画像示すことでイメージに近い画像も生成してくれることもあります。
PhotoshopのAIでカワセミの画像を生成してみました。
野鳥の場合一般の人も知っている雀や鴨などはテキストで鳥の名前を指定するだけでリアルに生成してくれます。
カワセミはやはりAIも良く知っているようで、テキストだけで生成できます。
ただ、次の画像は何枚も生成した中の良かったもので(足の細かいところまでは見ていません)、中には同じプロンプトで四枚目の画像のようなものも混ざります。
これらの生成はAdobe Fireflyの場合、月単位の生成クレジットが消費されます。この生成クレジットはアドビのサブスクのプランによって付与されるひと月の生成クレジット数が違います。これを使い切ると生成AIが使えなくなるということですが、期間限定で追加料金なしで生成を続けられるとなっています。試しに先月の生成クレジットを使い切ってみたのですが、その後も生成はできました。
また、Photoshopのベータ版に生成ワークスペースという項目があり、別窓でテキスト生成できる画面が使えるのですが、このベータ版の生成ワークスペースでの生成は生成クレジットの消費にカウントされないようなので今が使い倒すチャンスです。
カワセミの画像の生成は別ページで色々なプロンプトの結果を覚え書きとしてまとめていきます。
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